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 まったく最近の若いもんは!
 という珍しい書き出しで始めてみます。
 いや俺もコンビニ商売やって25年ばかりが経過してるわけです。そのあいだ無数のアルバイトを使ってきているわけで、そうするとその時代なりの若者の特性というのがなんとなく見えてきたりします。
 ふつうこういうのって、観察する側が加齢にともなって見えかたとか価値観とか変化してきて、なかなか客観的に見ることが難しいものなのですが、俺はエロゲなんかでも思い出補正がほとんどかからないタイプで、つまり見えかたが珍しいくらい一定しているほうです。なので「最近の若いもん」を見るときもわりと偏見は少ないほうのタイプなんじゃないかと思っています。まあ自分ではそう思ってる、ってのが加齢ではあるんですけども。

 そもそもなぜ見方がブレないのかってことなんですけど、これは前からあちこちで言っているとおり、俺にとってはすべての人間が「他人」だからです。だれでも俺にとっての価値は一緒、あるいはひとしく無価値ということがいえるので、そこに偏見の入る余地がないわけです。もしくは偏見しかない。どっちでもいいです。観察する側の条件が一定ならば、見方は変化しないということです。
 20年前に俺が見ていた高校生は、現在では三十代なかばです。かなり長い期間にわたって、その次代ごとの「若者」を観察しつづけてきたことになります。
 そんで、最近の高校生なんですけど、とにかくしゃべるのが上手ですね。会話に詰まるということがまずありません。実は最近、いかにもオタですね、というようなタイプを採用しまして、まあ仕事上は不器用ですし、そう頻繁に話しかけてくるわけでもない。けれど、そういうタイプでも、ひとたび話を向けると、わりとよどみなく話す。事実を伝えるだけ、というような話しかたはあまりせず、話すことのなかにかならず起伏というかネタというか、そういうのを仕込んできます。時代は変わったなあと、まあそういうようなことを思いました。
 いったいに、いまの高校生、みんな賢いですね。30年前の高校生(つまり俺ですが)は、もっとバカだらけだった気がします。どこで変化したかについては、以前からの持論どおり、携帯電話のたぐいが普及してからです。その時点で、コミュニケーションが圧倒的に複雑化したってことなんでしょうね。なお俺は携帯電話は嫌いです。というより電話が嫌いです。

 ああそうだISLAND。
 ネタバレしない範囲で現状の感想を書いておきます。なんか「大傑作」っていう評価が見えましたけど、そうかなあという感じなんで。といっても途中なんで、これから大どんでん返しが来たら評価は覆るかもしれませんが。
 俺の評価としては、作者は構成の鬼マニアだというのがいちばん強いです。必然的にお話としてはおもしろくなります。しかしその犠牲になってキャラの描写はだいぶ弱い印象です。構成を最優先させるジャンルとしては、たとえば本格ミステリなんかがあるわけですけど、「一般的な」評価としては、本格と人間の描写は相性がよくないということになっているんじゃないでしょうか。最近の状況はよく知らないですけども。まあ、構成が最優先ということはキャラクターはそれを実現するためのコマになると考えられるわけで、この作品でもそれは強いです。
 付随的にストーリーも非常にレベルが高い。おもしろいです。ストーリーテラーと呼ばれる一群の人種がいますけど、おうおうにして、それらの人々はキャラをストーリーの犠牲にします。もちろん主要キャラに限ってはその限りではないことも多いです。特に大河ロマンみたいな感じの話では、主人公の抱える問題や懊悩といったものが、普遍的な人生のテーマみたいなものになっていて、それゆえ人間の彫琢が非常に深い、というのもよくあることかと思います。しかしこの作品はそういう性質のものではない。主人公には懊悩もテーマもあるんですけど、じゃあそれが普遍的なものなのかと問われると「いや、それおまえの問題だから好きにすれば」と突き放される性質ものです。その「おまえの問題」が十全に機能していればそれもまた醍醐味なんでしょうけど、どうもお話の性質上「おまえの問題」がストーリーの駆動力そのものになっており、必然的にこっちが受ける印象としては「おまえの問題」にほかのすべての要素が振り回されてる、つまり身勝手な話に思える。お話の主軸に関してそう思ってしまう以上、いかに緻密な構成と壮大なスケールを持っていたとしても、話が矮小化してしまうという印象が拭えません。
 で、実際にすばらしい作品かどうかってことについては、現状の判断では「3年に一度の傑作」くらいの感じですね。5年やら10年やらに一度というには、ちょっと「文学的」ではないです。この場合の「文学」は「物語でないと到達できない場所に力技で届こうとする」くらいの意味あいです。
 ま、たとえばAIRみたいな作品と比較してどっちが上なのっていったら、俺はこっちに軍配を上げます。そりゃ質量ともに圧倒的におもしろいですよ。ただ「ふつうは届けない、だれも見たことがない場所」にまで到達しているかっていうと、ちょっと疑問ですね。非常によくできた工芸品くらいの感じです。工芸品も限界超えれば芸術でしょうが、現状では「まだ」限界は超えてないように思います。まあこの手のお話なんで、最後までやってみないとわからないでしょうが。
 俺の評価が比較的低い(これでも世間的な評価よりは下のような気がする)理由としては、文章にあまり芸がないってのもありますね。少なくとも器用な書き手ではないです。エピソード単位では見るべきものはあるんですが、どうにも、ストーリーの必然でそうなっていて、その陰で「人間」が犠牲になってるような感覚があるんですよ。
 俺のもうひとつの判断基準としては「たとえ何千年かかっても努力しつつければそれを再現できるかどうか」とか「どうやって作っているのか理解できる」っていうのがあるんですが、それでいうと「この構成を作るためにいったいどんな方法使ったんだかわからん」という印象ですね。なんかのツールを使うなり、図を作るなりはするんでしょうけども、なにをどうやったらこういう作品に結実させることができるのかまったくわからん、というような。同時に「ああ、そりゃ5年かかるよね」という気もする。どっちかっていうと5年かけるその執着心が理解できない感じ。
 文章的やキャラの面では充分に理解可能な範疇です。というかこっちでは、むしろそこまでキャラを粗末にする理由がわからんというくらい。

 まあそんなとこですね。いちおう念のために言っておきますと、おもしろさっていう点ではちょっとケタは違います。ただし俺はあくまでえろげとしてこの作品を消費してるので、そういう面ではちょっとな、というところです。このフォーマットがなんらかの限界を突破して「文学」に届くことがあるとして、その方向からじゃないんじゃないの、みたいな。
 おもしろいけど違和感はある。でもその違和感は、やや一貫していないテーマ性と、壮大なストーリー性に邪魔されてあまり表面化しない、というところでしょうか。この点でひどい目にあった作品として車輪を挙げるのはいつもどおりです。そういえば車輪に近いような生硬さもありますね。
     
 
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