Notes

22日の飛行機で帰るので気付けば今日で折り返し。終わりを意識し始めるのはまだ早い。だがケプラートラックのトレッキングが終わればそんな雰囲気になるのだろう。チャリ部の合宿フリー後の数日間みたいなやつね。

今日は２つの峠を越えた。累積標高は1000メートルちょい。そしてラスト30キロは無限向かい風地獄。下りも本気のペダリング。それでも横を跳ねるウサギより遅かった。もう日射しも強いわ膝も痛むわでウルトラハイパーしんどかったわけだが、もうこれ以上絶望自慢をしても仕方がないのでここらでやめておこう。

最後ワナカに着く2キロほど手前で、一週間ほど前に会ったスウェーデン人のナイスガイとまさかの再会を果たした。水を分けてくれた命の恩人である。名前はカール。そのまま一緒にキャンプ場にイン。

ワナカはニュージーランド南島の中でも有名な観光地で、様々なアウトドアアクティビティが楽しめる。どちらかというと南島ではクイーンズタウンの方が有名なので、そちらは常にアジア人観光客に溢れているが、それに比べてワナカはより現地の人に愛されているように見えた。バイト先で仲が良かったマット(キウイ、18歳)もワナカがニュージーランドで最高の場所だと言っていた。
まだ殆ど町中を歩いていないが、通り抜けた雰囲気とパンフレットに載っているアクティビティの全てが好みだ。ヘリで自転車を標高2000メートルまで運んで下りを楽しむだけのヘリバイキング、鹿狩り、カヤッキング、往復5時間程度のトレッキングRoys Peak、water taxiで行く島探検…どれをやろうか…


夕飯はカールと一緒にステーキと地ビールを楽しんだ。ツーリングを始めてから最初のステーキとビールだった。もう美味いなんてレベルじゃない。なんならちょっと泣いたかもしれない。
それにしてもカールの装備がすごい。まず自転車のキャリアはフロントのみで、全てをSeaToSummitなどの軽量防水ケースにうまく収納しており、荷物がやたら少ない。そしていざ自転車を降りてサイクルジャージから普段着に着替えたと思えば、帽子と薄手のパーカー、ショートパンツはHOUDINI,ダウンジャケットとトレッキングパンツはNORRONAである。俺がどれだけビビったかヒロシくんなら分かるはずだ。スウェーデンでも北欧ブランドは安くはないらしいが、アウトレットが家の近くにあるのだそう。ちなみに日本でもKANKENバッグで有名なFJALL RAVENもスウェーデンのブランドらしい。そしてPeakPerformanceは社内に技術開発のプロが不在で、値段を考えるとイマイチなブランドらしい。勉強になる。

カールは友人二人と共同経営で会社を作り、エンジニアとして働いているとのこと。今回のニュージーランドサイクリングも

カール 「ちょっとスウェーデン寒いから南で１ヶ月遊んでくるわ！」
友達二人 「いいね！いってらっしゃい！写真送ってね！」

くらいのテンションでOKだったらしい。まじか。
個人経営でフレキシブルでアウトドアブランド詳しくてしかも平気で１日180キロとか走っちゃうカール。ただのお金持ちやミーハーのそれとは違い、機能性の優れたものを最高の形で使いこなしているスマートなカール。工務店のおじいちゃんやゴリゴリマッチョお兄さんもかっこいい。でもカールは別次元にいる。カールの人生が欲しい。

バスでテカポに行ったことで予定よりも早くここまで来れたので、とりあえず2,3日はここで過ごすことにした。やることはいくらでもある。