Notes

ダニーデンはエディンバラ(スコットランドの首都)をニュージーランドに作ろうぜ！というテンションでイギリスからの移民によって作られた町である。ニュージーランドの他の町と比べてもやはりイギリス、ヨーロッパ色が強い。J・K・ローリングがエディンバラのカフェでハリーポッターを書き上げたのは有名な話だが、ダニーデンでもそこそこ面白いのを書いてくれそうだ。

今日はバックパッカーの無料朝ごはんをいただいた後、町を一人で散策。ダニーデンの駅がかなり豪華な造りになっており、中に入ってみた。
するとちょうど小さなアートフェスティバルを開催していて、2階のギャラリーに作品がずらりと並んでいた。中でもやはりニュージーランドの自然の風景を切り取った油絵が多い。最終日ということもあり、絵から色々と記憶を刺激されてなんとも言えない気持ちになる。
その後マデリン、フラハと再び合流し、美術館へ。自分が住んでいたウェリントンには国内最大の美術館(というか博物館に近い)があり、よく遊びに行ったりしていた。無料だからだ。そしてダニーデンの美術館もなかなか大きいがここも無料。嬉しい。ニュージーランド好き。

特別美術に関心があるわけでもないが、ここには1950～1990年代のイギリスの暮らしや文化を紹介するエリアがあり、そこがとにかく面白い。当時の洗濯機、冷蔵庫、レコード、タイプライター、車、ゲーム、音楽…なんでもある。当時の若者の部屋を再現した展示(70年代、80年代、90年代に分かれている)がなかなか洒落ている。
例えば映画の「ALWAYS 三丁目の夕日」や東京万博の映像で登場するような昔の家電、あるいはテクノロジー黎明期のやたらでかいコンピューター等が好きな人はまず楽しめるはずだ。

その後、二人とともにニュージーランド最後！のコーヒーを飲むためにカフェで昼食。12時半頃に店を出ると外は雨だった。そうだ。この天気予報が何のあてにもならないのがニュージーランドだった。だが自分も二人も勿論レインウェアを持ち歩いているので何の問題もない。

歩くこと50メートル、後ろから名前を呼ばれた気がした。ん？
振り向くと

カール(アウトドア超人)とバスティアン(自転車屋)
だった。まじか。

ちょうど二人も昨日ダニーデンに到着したところで、そしてつい5分ほど前に偶然会ったところらしい。なんという…自転車勢の行動範囲の狭さ…というかカールはこれで会うの3回目だよ…

嬉しかったが時間もあまりなかったので3分ほどで解散。その後自転車を止めたところまで戻り、フランス人カップルの二人にも別れを告げた。今まで多くの友人が帰国するのを見送ってきたが、自分が出ていく立場になるのは不思議な感覚だった。勿論寂しさもあるが、出会いと別れは日常茶飯事であり、そこでしんみりしすぎないのが心地良い。今はSNSの発達もあり、またいつか会えるという確信もある。

ダニーデン空港までの道の半分以上は昨日の道を戻るだけ。２つの長い峠に雨、という条件だったが30キロ程度なので気付いたら終わっていた。
今はもうダニーデン空港からオークランド空港まで来ており、日本行きの次の飛行機の出発を待っているところ。自転車は合計1万円くらい払って箱に入れて運んでもらっている。北海道は整備が間に合えばこのマウンテンバイクで参加する予定だ。

おつかれ、俺。大戸屋行きたい。

終わり