Notes

映画の流れに沿っていきます。まず、富裕ゾーンから来た男がチンピラに襲われるシーンで主人公（ジャスティン・ティンバレイク、以下「Ａ」）がこれから何が起こるかをのぞきこんでます。友達が「何見てるんだ？早く逃げようぜ」って言いますが、その通りで、このシーンでは、なぜＡがこの場にとどまっているのかの理由が必要です（例えば、チンピラから男を助ければ時間を分けてくれるのではないか、とか）しかし、その説明にあたるシーンがこの後に１回も
出てきません。で、無事男は逃げ切れてビルで２人が話し込むシーンになりますが、ここで男はＡに「無限に時間があるのはかえって苦痛なんだよ」みたいな哲学的？な話を突然します。ここもおかしい。男にとってＡは初めましてのはず。その他人であるはずのＡにいきなり胸の内を告白して眼が覚めたら１００年近くもあげるなんてありえない。Ａに助けてもらった恩と、「僕なら時間を無駄にしない」というＡの言葉を信じたにしても、無茶しすぎ。で、１００年近くも時間をもらったＡですが、その後、富裕ゾーンに入ります。「おっ、これで奪われた時間を取り返しに行くのか！」と期待してると、ポーカーやったり、シルビア（以下「Ｂ」）と海で戯れます。Ａよ。男が窓に残したメッセージを忘れたのか。むりくり理由を考えるとポーカーしてたのはさらなる時間を獲得して富裕ゾーン内でも上の地位になるため、女と戯れていたのは、富裕ゾーンで見方を作るためでしょうか。で、その後は逃げるＡとＢ、追うタイムキーパーになりますが、富裕ゾーンとスラムゾーンの間にいた兵隊？みたいなのが弱すぎでした。銃をバンバン撃ってましたが、Ａがスピードを上げてゲートごと突き抜けて逃走。おいおい、防御壁くらいないのかよ。Ａがそこに辿り着くまでには、時間はたっぷりあったのでもっときちんとした防御体制とれなかったの？一番重要な境界線を守ってるのが
これではダメでしょって感じでした。で、逃げた後のシーンでもタイムキーパー（キリアン・マーフィ）がＢに撃たれたりします「仲間一緒に連れてこいよ、何で一人で来てるの？」これも理由を考えると、彼らは意外にも安い給料（時間）で働かされていた。十分に人員もおらず１人で行動している・・・ってことでしょうか？でもそう考えると、もっと革命が起きていると思うんです。前記した境界を守る兵隊の弱さとも関係がありますが、「これ、スラムゾーンの市民がみんな立ち上がって革命を起こせば富裕ゾーンの連中みんなやっつけられるんじゃないの？」と途中から思って見てました。富裕ゾーンの連中は走ることもしない人間なので、ケンカも弱そうですしねぇ。あと、ＡとＢが乗った車が銀行を襲って時間をみんなに配るシーンでも、車が突っ込んだ後に誰も警備員が出てこないので、「この銀行、この世界で最も大切な時間を預かっているのに警備なさすぎ。」あと、ラストのシーンでタイムキーパーが時間を受け取るのを忘れて死ぬシーンで「おいおい。時間を管理するタイムキーパーが時間切れで死ぬってどういうこと？」しかもその後、車にのってＡが時間を受け取るけど、「あのリング誰でも受け取れるの？時間を受け取る人物を識別する機能くらいつけとけよ」って突っ込みだらけの１００分でした。だらだら書きましたが、一言でいうと「登場事物が行動を起こす、その動機の説明が全くなされていない」ことが一番ダメだと思いました。だからすべての行動が行き当たりばったりに受け取られ、この映画に感情移入できないのでしょう。