Notes

「アンフェアな月」の感想（１）

　しがない茶推し（野崎弁当推し）のおばちゃんなので、舞台のこととかはさっぱりわかりません。
　素人が感じたことを書き綴っただけの感想なので、的を射ていないないしは的を得ていない（的を得る射る問題、最近は得ないも誤用ではないのですね）ことも多々あることでしょう。ふーん、そんな風に感じる人もいるんだねえーぐらいでさらりと流せる心が穏やかな方に読んでいただけたら嬉しいです。
　勢いで書いているので語尾がとっちらかっていると思われますが直さない方向で。

◆演出等舞台全体のお話◆
・先に、ちょいと気になった点。
　原作を読んでいない初見の方は、時系列がわかりづらかっただろうなあという印象。（正直原作でも混乱するから舞台ではあれが最善だったとは思う）文章で読む分には時系列を理解させる部分が頭に入るけれど、舞台での台詞やナレーションだと違うものなんだなーと思いました。
　本のページをめくる演出は成程と唸り。反面、原作が小説であることを特に知らされずに観る人にはピンと来ないのかもと思ったり、いや、それはわたしが結構何も調べず行くことが多い人だからですごめんなさい。

　それから、複数人で声を揃えるって難しいのだなーと思わされました。特に、いかにも文語である部分。アンサンブルの方々何人で行っていたのかよくわかっておりませんが、目立った、自分にとって聞き取りやすい声の方を耳で探して、その人一人の言葉に集中をするという方向で聞いてしまった。申し訳ないと思いつつも。三回中二回通路、一回最前だったので毎回近くで声を聞いてからかもしれないなあ。

　そうだ。最後のシーンなんですけど、下手の最前にいたら、最後に元雪平旦那の佐藤氏が倒れるところがあまりよく見えていなくて、単に銃声が鳴ってそれが「終わり」を告げる号砲的な何かだと思っていました……。二度目以降はちゃんと見られたんだけども。ツイッターで「あれは次回作を暗示してるの？」って呟きを見て「？？」ってなってましたごめんなさい。本当に見えなかったんで……物理的に見えない位置だったのかなんなのかわからないのですが、嘘のようなお話。視野が狭いのかよ自分（驚愕）

他、色々気になることはいっぱいあったけれど、人と言うのは粗探しが得意なものだから気になるのだなあーーーっていう部分なのでひとまずここまで。あ、あと、舞台ではなく原作の時点で気になっていた荒めの展開部分については省いています。

・こっから良かったなー！ってところ
　舞台を上下に分けての使い分けが、わたしにとっては効果的でした。状況がわかりやすかったです。特に、奥多摩で掘るシーン全部上でやってるのがとても良かったなあ。二階席以上から見られなかったんだけど、上の階で見たらどう見えたのかなーやっぱり舞台は色んな場所から見たいですね……。

　夢のシーンとてもよかった。つかみはオッケーっていう言葉がそのまんま。
あのシーンで、雪平という人物が抱えているものを今から自分達が目の当たりにするんだなあという不思議な覚悟すら出来る。あれだけで、雪平の置かれている状況と愛娘に対する想いが十二分に伝わるなあー。とてもしんどい。

　垂れ幕演出は最初「なんだなんだ」って一瞬戸惑ったけれど、あれはとてもありがたかったです。シーンの切り替えが多くて情報量が多くて、脳に詰め込むことに必死なので、文字で整理していただきまして誠にありがとうございます……一番効果的だと個人的に思ったのは、瑠子ちゃんの名前が音だけで「るこ」って聞いててもピンとこないお名前なので、文字として見られる部分があってよかったんじゃないかなあ。誰もが満遍なく原作読んだり役名頭に入れてみるわけじゃないから。

　そうそう、シーンの移り変わりが激しい中、今ここはどこなのか、をすっと理解することが出来たのは凄いなあと。（唯一「えっと、えーーっと」ってなったのは、早川のマンションに雪平安藤コンビが向かった時。ドア並んでるとすぐ亀山家マンションだって脳が判断してしもうて……）
　亀山家の左右に分かれている構図もわかりやすかったです。左右の情報を漏れなく頭にいれるのは大変ではありましたが……

　一個ずつ書いて行けばきりがないけれど、全体的に「情報量が多い内容ゆえ、視覚的にわかりやすくしようと配慮している」ことが端々から感じられました。そんなん当たり前だろ？っていう方もいるでしょうが、その当たり前を最大公約数的に提供することは本当に難しいものだと思っているので。