Notes

　････････････↑次回投稿分　P30-31 ･････････････････
　････････････↓次回投稿分　P31-32 ･････････････････
title.◎ニューデリーでの四つの講話　（24）

・葛藤、二元性、そして観察 1982年10月31日　ニューデリー２日目
２行空けて本文

　そしてあなたが、世界で、あなたの外側で起こっていることを観察するとき、それぞれの国は自らを孤立させているし、それぞれの集団は──イスラム教徒、ヒンドゥー教徒、仏教徒、チベット人、ロシア人、アメリカ人、中国人などと──孤立しているのです。名のすべてを列挙しなくていいのです。これは起こっていることです。それぞれの集団は孤立しようとしているし、一人は一人の特定の導師に、他の一人は他の一人の導師についていくなど、です。この孤立の要因が世界を破壊しているし、人類を分離しているのです。これは世界で起こっている現実です。そのとき、内的に、私たち一人一人は、私たちは分離していると考えます。伝統、宗教、そのすべては、私たちは分離した人間であると私たちの考えを条件づけてきました。もちろん私たちは、「あなたは男です」「あなたは女です」「私は男です」「私は女です」「あなたは男です」「背が高い」「低い」「肌が白い」「黒い」などという意味で分離しています。

　しかし私たちは深みで話をしているのです。すなわち、人間の意識は一般的であり、人間すべてによってわかちあわれているのです。人間すべては苦しむし、大きな苦悩を経て、涙を流し、この寂しさ、苦痛、心配、憂鬱、不安定の感覚があるのです。もっとも貧しい人と、もっとも洗練され博学な人間──みんなが、この一般的な要因をもっているし、彼らはみんなこれをわかちあっているのです。このとおりです。ですから私たちの意識は、あなたのでも私のでもないのです。それは人間すべての意識です。
　ほとんどの人々にとって、これがわかること、それの真実がわかることは、とても難しいのです。なぜなら私たちはこんなに条件づけられてきているからです。キリスト教ではあなたは分離した魂です。ここ〔インド〕ではあなたはアートマンですし、あなたは神のみぞ知る何かに至るまで何度も何度も輪廻転生するのです。それはやはり、あなたが分離し、個であるという強調です──そうなのでしょうか。
　私たちはそれに疑問をもっているのです。ゆえにあなたは見出し、疑問をもち、疑い、尋ねなくてはいけません。それは、あなたがこの真理をどんな防衛もなく、どんな抵抗もなく聞いているという意味です──私たちはその言葉を正確に使っています。それは真理です。あなたは周辺や外側で、一定の習癖、一定の習慣、一定の傾向や能力をもっているかもしれませんが、外から内に動くなら、私たちはみんな同じ共通の主題をわかちあっているのです。それで私たちは、言葉の上ではなく知的にではなく、私たちの心、精神、血潮でこれを悟らないかぎり、互いに破壊しあうことになるし、それが起こっていることなのです。
　それで私たちはこの事実──事実についてのあなたの見解ではなく、現実の事実を聞く能力があるでしょうか──すなわち、私たちの意識は内容です。私たちの意識はその内容から作り上げられているのではないのでしょうか。
　
　あなたたちはみんな当惑しているのでしょうか。私たちはみんなともに考えているのでしょうか。または他のどこかに逸れているのでしょうか。
　見てください、意識についてたいへん多くの書物が書かれてきました。世界中に意識についての専門家がいて、意識についての会議があるし、自分をではなく他の哀れな犠牲者を研究してきた学者や専門家が会って議論します。しかし私たちは職業的専門家ではありません。少なくとも私はそうではありません。しかし自分の意識の本性を探究し、その内容を観察してきました。なぜなら内容なしに意識はないからです。
　いいですか。このすべてについてきているでしょうか。私たちはともに動いているでしょうか。
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「そしてあなたが、世界で、あなたの外側で起こっていることを観察するとき、それぞれの国は自らを孤立させているし、それぞれの集団は──イスラム教徒、ヒンドゥー教徒、仏教徒、チベット人、ロシア人、アメリカ人、中国人などと──孤立しているのです」
「この孤立の要因が世界を破壊しているし、人類を分離しているのです。これは世界で起こっている現実です」

　今日の世界情勢、日本国内の様相についてこの指摘を当てはめ、あれこれ述べても時間の無駄というものだろう。

「そのとき、内的に、私たち一人一人は、私たちは分離していると考えます。伝統、宗教、そのすべては、私たちは分離した人間であると私たちの考えを条件づけてきました」

　われわれ、と言うより 「私」 の中の個人主義的発想の全て、そしてそれを形成する力となった条件付け･････。
　
「すなわち、人間の意識は一般的であり、人間すべてによってわかちあわれているのです。人間すべては苦しむし、大きな苦悩を経て、涙を流し、この寂しさ、苦痛、心配、憂鬱、不安定の感覚があるのです。もっとも貧しい人と、もっとも洗練され博学な人間──みんなが、この一般的な要因をもっているし、彼らはみんなこれをわかちあっているのです。このとおりです。ですから私たちの意識は、あなたのでも私のでもないのです。それは人間すべての意識です」
　過去、現在の個別の姿について言っているとは思えない。ここでも、この 「人間」 とは、分離分割された存在でない、それが前提にあると思える。
　
「ほとんどの人々にとって、これがわかること、それの真実がわかることは、とても難しいのです。なぜなら私たちはこんなに条件づけられてきているからです」

　「これがわかること」 とは、「私たちの意識は、あなたのでも私のでもないのです。それは人間すべての意識です」 に繋がるものだろう。私たちの上に覆い被さっている強固な条件付け。
　
「私たちはそれに疑問をもっているのです」
　
　「それ」 とは、人間ひとりひとりが分離し、個であるという発想、思考だろう。　

上に２行空け
　小早川詔・藤仲孝司訳　星雲社発売・UNIO発行　「知恵のめざめ　悲しみが花開いて終わるとき」 p31-32から　（年号の和数字を洋数字に変換。段落、改行を追加）
　････････････↓次回投稿分　P32-3 ･････････････････
title.◎ニューデリーでの四つの講話　（25）

・葛藤、二元性、そして観察 1982年10月31日　ニューデリー２日目
２行空けて本文


上に２行空け
　小早川詔・藤仲孝司訳　星雲社発売・UNIO発行　「知恵のめざめ　悲しみが花開いて終わるとき」 p32-3から　（年号の和数字を洋数字に変換。段落、改行を追加）