Notes

【オープニング】
セッティングを終えたソラマメ。
弓削はライブを始めようとギターを構えているが視線を感じ梅田を見ると、彼女が不安そうにこちらを見ていた。
目が合う二人。とある音楽（※）が流れ始め、ステージが暗くなる。


【ライブ、スタート？】
音楽が消え、ステージ明転。
梅田、その明かりにより我に返ってメトロノームを鳴らす。
弓削は首を傾げるが…ギターを弾き始める。

①ソソソ、ソラマメです
↓
演奏終了後…梅田、ＭＣに入るかと思いきや…

「…だめだ。こんな気持ちじゃ…」

と呟き、ライブを中断する素振りを見せる。

戸惑う弓削。


【プロローグ】
以下、梅田と弓削の掛け合いで物語は進んでいく

梅田「伝えないといけない気がする。今言わないと（ピーチーズさんのように）１５周年は迎えられない！」
弓削「え！？何！？」梅田に駆け寄り「何やってんの！迷惑かけちゃいけないんだよ」
梅田「でも怒るよね。絶対怒るよね。」
弓削「あ！？」
梅田「知ったら絶対怒るよ。」
弓削「はあ！？💢」
梅田「ほら、もう怒ってるじゃん！」
弓削「怒ってない、怒ってない。困ってるだけだよ。何！？聞く聞く。（ギター下ろしながら）もう歌う空気じゃなくなっちゃったしさ…」
梅田「実は…」
弓削「あ〜、ちょっと待って！聞いたら重くなること！？気まずくなったりしない！？お客さん巻き込むのは良くないし、暗くなっても嫌だし…」
梅田「…じゃあ、楽しければいいんだよね？」一旦退場する
弓削「え！？」

梅田、すぐに再登場。手には大きいサイコロを持っている。どうやらテレビ番組『ごきげんよう』のサイコロを真似たものらしい。ルンルンしている

梅田「作っちゃった♪ いきま〜す」と言ってそのサイコロを投げようとする
弓削「ちょっと待って！！」
梅田、びっくりして止まる

弓削「ちょっと待ってちょっと待って！…ごめん、全然ついていけない。ちょっと一回整理させて。これはサイコロ…」
梅田「うん。」頷く
弓削「小堺さんが司会の “ごきげんよう” だよね？」
梅田「うん、楽しいでしょ！？」
弓削「いや、そうじゃなくて…これを振ってお話がしたいの？」
梅田「だって…“ごきげんよう”３月で終わっちゃうんだよ？いつか出たいと思ってたのに…。“笑っていいとも”のテレフォンショッキングだって終わっちゃったし…。出たいと思ってたものがどんどんなくなっていく…。」落ち込む
弓削「うん…なんかごめん。それは私の力不足もあると思う。」
梅田「だから振っときたくて…」
弓削「あ〜わかった、わかった、わかった！」
梅田「！？」
弓削「梅ちゃんが思う存分、好きなだけ振りな…さい！！」
梅田・弓削、いい顔で客席を勢いよく見る

〜場面が転換する〜

♪ “ごきげんよう”のオープニングテーマが流れる

弓削が小堺さんのポジションになり、突如番組が始まる
「さぁ、“ごきげんよう”の時間がやって参りました、司会の小弓削です。
それでは本日のサイコロの目、見てみましょう。オープン！」

ステージ後ろの幕を開ける
《今日のサイコロの目》が書かれたボードが貼ってある

それを読み上げる弓削
「今だからゴメンナサイ、今だからゴメンナサイ、今だからゴメンナサイ、今だからゴメンナサイ、今だからゴメンナサイ、今日の当たり目、の６つです。
…さぁ、とにかく何か謝りたい梅田さん。一投目、いってみましょう！」

♪サイコロを投げる時の音が流れる

梅田、嬉しそうにサイコロを投げる
弓削、サイコロを追い…「出ました！！当たり目！！！」

♪賑やかな音楽が流れる

弓削、梅田とお客様１名にLION製品（粉洗剤と液体洗剤）をプレゼントする
↓
《今日の当たり目》をめくる
〈今だからゴメンナサイ〉と書かれている

弓削「“今だからゴメンナサイ”…ということで、どうしても謝罪したいんですね…どうぞ。」
梅田「え〜…」話そうとする
弓削「はい。」
梅田「…だめだ。やっぱり言えないよ！」
弓削「えーーー！？ここまでやったのに！？」
梅田「タップで表します。」
弓削「は！？」
梅田「タップを踏みます。３文字です。」
弓削「口で言った方が早いよ〜！」
梅田、伝えたい言葉を足で踏み鳴らす
弓削「…！？ごめん、もう一回やって。」
梅田、もう一度踏む
弓削「…ごめん。（梅田の）見た目が邪魔して“ドスコ〜イ”にしか聞こえない。」
梅田「ああん！」悔しがりながら、とあるフリップを持ってくる
弓削「何 何？今度は何！？」
梅田「ここに今日歌う曲のタイトルが書いてあります。」
弓削「あ、歌うんですね。今日歌あるんですね。よかった〜！」

３曲隠されていて、曲紹介をしながらそれを一つ一つめくっていく

──────────────
⑴ 雨(あめ)のワルツ
⑵ きみに贈(おく)る愛(あい)のうた
⑶ ＯＨ 家〜！
──────────────

弓削「…これがどうかしたの！？」
梅田「この中に、先ほど伝えたかった言葉が隠されています。」
弓削「え！？３文字ってやつ！？」

梅田、頷く。指さし棒を使い、それらの曲のタイトルの中から【み】【の】【う】という文字を順に指す。

弓削、それを一緒に読み「み・の・う…みのう！？未納！？何か払ってませんってこと！？」

梅田、恐る恐る頷く
弓削「あ〜〜💢 “未納”っていったらアンタ、私が世界で一番キライな言葉だよ！！」
梅田「怒らないっていったじゃん！」
弓削「怒ってないよ！ったく、みんな払え払えって言いやがってほんとに…
で、何！？何が未納なんだい！！」
梅田、気まずそうにフリップを見る
弓削「…え！？それもこの中に隠れてるの？」
梅田「そうなんだけど、それはまた後ほど…」
弓削「え！？」
梅田「そろそろ歌い出さないとマズイ。」
弓削「え…こんな中途半端な状態で！？いやいや、歌えない歌えない！！」
梅田「大丈夫、大丈夫…（と言いながら客席に視線を移し）時間過ぎて気まずくなりたくないでしょ！？」
弓削、現実に戻り「ウン！！」とイイ返事をする
↓
急いで準備をして演奏を始めるのであった…


【ライブ、再スタート】
②雨のワルツ（short.ver）
③きみに贈る愛のうた（short.ver）
④ＯＨ 家〜！


【エピローグ】
演奏終了後…弓削、すぐに切り出す
「…で、何！？」
梅田「…へ！？」
弓削「へ！？じゃないよ。未納のことだよ！！」
梅田「あ〜！すっかり忘れてた。」
弓削「うそでしょ！？あんた以外ここにいる全員ぐるぐるしてたよ。歌に集中できなかったよ、歌う方も聴く方も…」
梅田、それを無視して曲名が書かれたフリップを再び持ってきて弓削に持たせる

梅田「じゃあまずはタップで…」
弓削「それはいい！！まったくよくタップで、とか言えるよね…」ブツブツ言っている
梅田「はい、注目！」指さし棒でフリップを指す

─────────────
雨(あめ)のワルツ
きみに贈(おく)る愛(あい)のうた
ＯＨ 家〜！
─────────────

梅田「まず、この『ＯＨ 家〜！』の“家”の文字を、今回は【や】と読みます。」
ペンで、ふりがなをふる

弓削「…え！？ “や”！？
ＯＨ や〜！ＯＨ や〜（何度か言って）え！？おおや？大家！？家賃ってこと！？」
梅田「ちがうちがう！もう先走らないで。それよりはマシだから！」
弓削「本当に！？」
梅田「うん、大丈夫。」
弓削「やめてよ〜びっくりさせないでよ」
梅田「はい、さらっといくよ。（指さして）【つ】【た】【や】」
弓削「つたや！？」
梅田「うん、TSUTAYA。レンタルショップの。未納っていうか延滞…」テヘッと笑う
弓削「延滞！？延滞っていったら世界で３番目に嫌いな言葉だよ！！」
梅田「ごめん。」
弓削「ねぇ、どのくらい延滞してるの！？」
梅田「（指さして）【み】【つ】【き】」
弓削「え！？３ヶ月も！？うわ〜！！」
梅田「（指さして）【わ】【る】【い】」テヘッ
弓削「テヘッじゃないよ！！…あ！でもアンタがでしょ！？私には関係ないよね。」
梅田、ポケットからTSUTAYAのカードを取り出し弓削に渡す
弓削「TSUTAYAのカード…」
梅田「（指さして）【き】【み】【の】」
弓削、カードを裏にして確認
「お〜〜〜い💢人の使ったらいけないんだよ！！」
梅田「（指さして）【わ】【る】【い】」テヘッ
弓削「ぬお〜〜！もういいや。終わらない気がしてきたから最後に…何借りたの！？」
梅田「う〜〜ん」と言いながらフリップをまじまじ見る
弓削「え！？それもこの中にあるの！？」

梅田《きみに贈(おく)る愛(あい)のうた》の“た” にペンで濁点をつける

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雨(あめ)のワルツ
きみに贈(おく)る愛(あい)のうだ
ＯＨ 家(や)〜！
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梅田「ＣＤです。“ユニコーン”で曲のタイトルは…（指さして）【だ】【い】【め】【い】【わ】【く】」
弓削「ん〜〜〜！！」
梅田・弓削「まさに！！！」

二人、同時に客席を見る
♪ユニコーンの『大迷惑』が流れる
↓
ステージが暗くなり音楽も消えていき、本公演は終了した

※オープニングの音楽も『大迷惑』を使用