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◆プロローグ

完全暗転の中、弓削の音声が流れる
「梅田園美35歳。やってはいけないことをやってしまったらしい。」

その直後に『15の夜/尾崎豊』のイントロが大音量で流れる

ステージ上手側が明るくなり、買い物袋を提げた梅田がキョロキョロしながら登場する

少ししてステージ下手側も明るくなる。何故かサングラスをした弓削が立っており『15の夜』の音源に合わせ、替え歌を歌い始める
(その歌詞通りの動きをする梅田)

♪半額の惣菜とそればかり見てる梅(田)
超高級肉を買うなんて 届かない夢を見てる
やりばのない気持の扉破りたい
バッグの中 隠した豚肉見つかれば逃げ場もない

ひがんでかたくなに 背を向けながら
心のひとつも解ってくれない大人達をにらむ
そして仲間達はどんどん家庭を作り始めてる
かと言ってもう 学生時代には帰りたくない
自分の存在が何なのかさえ 未だ解らずにいる
35の夜-

盗んだバイクで走り出す 行き先も解らぬまま
暗い夜の帳りの中へ
誰にも縛られたくないと 逃げ込んだこの夜に
自由になれた気がした 35の夜


一番を歌い終えると、ステージが明るくなる。(ダンボールの)バイクにまたがり呆然とする梅田。

以下…真実なのか嘘なのか、あるいは単なる妄想か。二人のやり取りが始まる。


弓削「梅田園美35歳。今すぐ自首しなさい!!」
梅田「は!?なんなのコレ!?」
弓削「とぼけないで!今すぐ自首しなさい!!」
梅田「だからなんなのコレ!?これ全部あなたの妄想でしょ!?」
弓削「ちがう!見たんだよ。私、見ちゃったんだよ」
梅田「は!?」
弓削「あなたのバッグの中に豚肉が入っているのを!!」
梅田「えっ!?」
弓削「パックのままの豚肉が入っているのを!!!」
梅田「そりゃ…買ったからね」
弓削「え!?」
梅田「買ったんだからパックのままだろうね」
弓削「え…(バツが悪くなり)証拠は?」
梅田「は!?」
弓削「証拠。買った証拠。」
梅田「レシート…あれっ?取っておいたかなぁ?」
弓削「証拠なし。捨てちゃったんだ ね。」
梅田「じゃあ店員さんに聞いてよ!!SEIYUの…名前わかんないけど男の人!!」
弓削「みっともない。言い逃れはよしなよ。ここはステージの上だよ。ライブをする場所だよ。嘘は全部お客さんに見抜かれる」
梅田「…わかったよ。百歩譲って盗ったとしましょう。でもバイクは盗んでない。」
弓削「証拠は?」
梅田「証拠証拠って…今どきバイク盗みます?どうやって盗んだのかこっちが教えてほしいよ。」
弓削、梅田の右腕に触れる
梅田「痛っ…」右腕をおさえる
弓削「やっぱり…。横転した時に痛めたんだね。」
梅田「ちがうよ!」
弓削「この記事に書いてある。(とある新聞記事を取り出し、読む)犯人は右腕を負傷した模様…」
梅田「ちがうって!!…タンバリンの振りすぎだよ。」
弓削「タンバリン!?」
梅田「そう。(いつも使っているタンバリンを持ち出し)ほら!」
弓削「…ちょっと振ってみて。」
梅田「え!?」
弓削「いいから。振ってみて。」
梅田、ためらいながらも物凄い勢いで振り始める
弓削「(その様子を見て…)あながち嘘ではないのかな!?」
梅田「でしょ!?(息が上がりながら)ってか何なの!?相方を犯罪者にしたいわけ!?11年も一緒にやってるのに一体何の目的で…」
弓削「ううっ…」すごい泣き顔
梅田「え!?」ドン引く
弓削「逆だよ!その逆だよ!!そんなわけないじゃん。誰だって相方を犯罪者になんてしたくないじゃん!!」
梅田「なに、なに!?」
弓削「でももしかしたら相方が罪を犯したかもしれない。長年連れ添ったパートナーが罪を犯したかもしれない。(客席に向かって)そうなった時あなたはどうしますか?見逃しますか?それとも人間やめますか?」
梅田「なんなの?情緒不安定なの?」
弓削「だから私は悩んで迷って考えて…思い詰めてしまった結果、あなたを警察に突き出すことにしました。私は嘘はつきたくない。音楽をやっている者として嘘だけはつきたくないんだ!!」
梅田「わかった わかった わかったよ!警察行くよ。警察行きます。」
弓削「でもその前に…ちゃんとライブはやってほしい。ステージの上に立ったからにはちゃんとライブをやってから、行ってほしい。」
梅田「はい、了解しました!!」敬礼

ステージが更に明るくなり、場面が転換する

弓削、梅田「パンパカパーン パンパンパン パンパカパーン」とファンファーレを口にしながらステージ中央に机を用意、その上にフリップが載っている

ここからお笑い芸人さんのネタのような…何かのバラエティ番組のような二人のやり取りが始まる

弓削「改めまして…どうもこんばんは、ソラマメ弓削です。梅田園美35歳、やってはいけないことをやってしまいました。梅田さんはこれから囚われの身です。なので本日のライブは好きな曲を歌ってもらいたい、と考えたのですが…そんな時間もないので私が全て考えました。題して…【梅田園美出頭前記念!35に縛られて】」

♪ジングルが流れる『ギザギザハートの子守唄/チェッカーズ』

梅田「縛られて!?どういうことですか?」
弓削「はい。これから警察に出頭し、数年間帰って来れないかもしれない梅田さん。」
梅田「え!豚肉で!?」
弓削「バイクもです。縛り、つまり制限されることによってある種の窮屈さを感じると思いますが、それはこれからの予行練習。そして逆に“自由とはこんなに素晴らしいんだ”と感じてもらえたら幸いです。それでは本日歌う曲を発表します!」
梅田「え!?始まる前に言っちゃうんですか?」
弓削「はい。今日は始まる前に言っちゃいます。」
梅田「わかりました。」
弓削「先ほどタイトルコールにもありましたように、今日は梅田さんの年齢35歳に因んで、3文字・5文字・8文字の曲名を持つ歌を選びました。」
梅田「8文字!?3と5を足してってことですか?」
弓削「そうですよ。今日は3と5と8に関することしかやりません!」
梅田「8が出てくるってあたりでだいぶ都合が良すぎる気がしますが…まぁ、8という数字は縁起が良いんですよね。漢字の八は“末広がり”と呼ばれているし、アラビア数字の8も“◯が2つで角がなく円満に行く”といわれてますし。横に倒せば“∞”無限大ですしね!」
弓削、大袈裟に感心している
梅田「…知らなかったんですか!?」
弓削、感心しながら「それでは発表します。」

ここから机の上のフリップを使い、本日の曲目を紹介していく

弓削「1曲目〔BGM〕」

フリップの文字
【1曲目 BGM(3)】

梅田「なるほど。アルファベットで3文字。()の中が文字数ですね。」
弓削「2曲目〔ソソソ、ソラマメです〕」すぐ次のフリップをめくろうとする
梅田「(遮って)ちょっと待って!なんで飛ばすの!?もう不都合なことが…」
弓削、すんとしている
梅田「そうなんだ」
弓削「3曲目〔あかつきのマーチ〕」

【3曲目 あかつきのマーチ(8)】

梅田「(数えて)あ・か・つ・き・の…うん、8文字だね。わかりやすい!」
弓削「4曲目〔紙ひこうき、飛んだ〕」

【4曲目 紙ひこうき、飛んだ(8)】

梅田「紙ひこう…ああ!“紙”が漢字で一文字ってわけね。それで8文字。まぁいいのかな!?」
弓削「5曲目〔BUN BUN 狂騒曲〕これは新曲です!」

【5曲目 BUN BUN 狂騒曲(5)】

梅田「へぇ〜新曲!…え?5文字!?(文字を数えて)1・2・3・4…9文字じゃない!?」
弓削「ちがいます!5文字です!!BUN(ブン)、これで一文字。BUN BUN(ブン ブン)、これで二文字。BUN・BUN・狂・騒・曲」5文字でしょ?とアピール
梅田「いやいやいや〜ないないない!それは都合良すぎるでしょ!?それはもうダメ…」
弓削、あからさまに落ち込む
梅田「…はいはいはい、わかった。じゃあこれはいいとして…」フリップを前に戻す

【2曲目 ソソソ、ソラマメです】

梅田「これはどうするの!?9文字だけど…」
弓削「申し訳ありません!本日のみ(頭の“ソ”を手で隠して)〔ソソ、ソラマメです〕で…。」
梅田「ええ〜!?」
弓削「申し訳ありません。この曲はいつもやってて自己紹介の曲でもありますし、はずすわけにはいかないんですよ〜。あ、それか(お尻の“す”を隠して)〔ソソソ、ソラマメで〕どっちがいいですか!?」
梅田「え〜!?」苦笑
弓削「梅田さんの好きな方でいいんで…」
梅田「え〜、じゃあ〔ソソソ、ソラマメで〕で。」
弓削「了解です。ちょっと中途半端な方ですね。」
梅田「中途半端って。ちょっとお侍さんっぽくない!?〔ソソソ、ソラマメで〕」それっぽく言ってみる
弓削「(無視して)あ、じゃああとで(いつも曲中に使用している)看板の“す”消しておいてくださいね」
梅田「あ、はいはい…」
弓削「以上です!!」礼をして終わろうとする
梅田「…え!?今日5曲しか歌わないの?40分(ライブ時間)も頂いてるのに!?」
弓削「申し訳ありません。(フリップめくる)最初に一曲歌ってしまったので…」

【オープニング 35の夜】

梅田「あんたが勝手に歌ったんでしょ!それも人の曲」
弓削「申し訳ありません。(またフリップをめくる)最後にもう一回歌います。」

【エンディング 35の夜】

梅田「は!?必要ないでしょ!?」
弓削「申し訳ありません!決めたことなので。申し訳ありません!!」
梅田「…ねぇ、さっきから何なの!?申し訳ありません 申し訳ありませんって。高嶋政伸じゃあるまいし。」
弓削「申し訳ありません。」高嶋政伸っぽく言ってみる
梅田「(何かに気付いて)あ!もしや…」
弓削、ニヤッとする
梅田「(数えて)も・う・し・わ・け・あ・り・ま・せ・ん…なんだ、10文字じゃん。」
弓削「(フリップめくる)申し訳ありません!」

【申し訳ありません(8)】

梅田「漢字じゃん!口で言ったってわかんないじゃん!」
弓削「(フリップめくる)申し訳ありません!」

【かんじ(3)】

梅田「そこは漢字でいいでしょ!」
弓削「申し訳ありません!」
梅田「もういいよ!!」
弓削「も・う・い・い・よ…5文字!!」
梅田「(怒って)もうギター持って!!始めるよ!!」
弓削「すみません…5文字。すまないでござる…8文字。」

梅田、メトロノームを鳴らす。
梅田、弓削共にブツブツと言いながら歌い出す準備。「早くして(5)」など言いながら。


◆ライブ、スタート

①BGM

〜梅田、語り〜
→尾崎豊の『僕が僕であるために』の歌詞を引用しアレンジしたもの
②ソソソ、ソラマメで(す)
→いつも使用している看板の文字も【ソソソ、ソラマメで】になっている(“す”がマジックペンで消されている)

〜梅田、MC〜
→弓削の指示により“3分5秒”でまとめる

③あかつきのマーチ
④紙ひこうき、飛んだ
→いつもお客様に飛ばしてもらっている紙飛行機。通常は折り紙を2枚渡しているが、今回は3枚にした!
⑤BUN BUN 狂騒曲


◆エピローグ

ステージが少し暗くなる

弓削「(ギターを下ろして)終わったね。」
梅田「終わったよ。」
弓削「行きますか。」梅田を見る
梅田「・・・」弓削に両手を差し出す
弓削、どこかから何故か持っている手錠を取り出す。それを梅田にはめようとするが…客席をチラッ チラッと見て「ほら、歌、歌!みんな歌って!」
戸惑う客席に“もうっ!わかってないんだから〜”みたいな空気で、ライブ冒頭で使用していたフリップを取り出し客席に見せる

【エンディング 35の夜】

梅田「ああ、ここだったんだね。」
弓削「(お客様を誘導する)サビからいきますよ〜。さんっ ハイ!♪盗んだバイクで走り出す〜」歌い始める
梅田も途中から歌い出し、歌が終える頃には梅田の手首に手錠が完全にはめられている
弓削「…じゃあ、気をつけて。」
梅田「(遮って)あ!」
弓削「?」
梅田「弓削に渡したい物があるんだった。そこのバッグ…」プロローグで梅田が持っていたバッグを指差す
弓削「これ?」持ち上げる
梅田「それそれ。(中の物を)出してみて。」
弓削「(中身を覗き)ああ…(取り出して)豚肉…。」曰く付きの豚肉だということはわかっている
梅田「そう、それプレゼントしたかったんだ。」
弓削「…え!?」
梅田「弓削と一緒に食べようと思ってさ」
弓削「…なんだ、そうだったんだ。」
梅田「(かぶせて)…んなわけないでしょ!?!?本当はあんたが盗ったんじゃないの〜?」
弓削「・・・は!?」
梅田「証拠は?あんたが盗っていない証拠。どうする!?キミの指紋がベッタリだあああ〜!!」
弓削「ああ〜!!!」おののく
梅田、弓削の右腕を触る
弓削「痛っっ!!」
梅田「おやおやおや…?確か犯人は右腕を負傷…」
弓削「いやいやいや!これはちがうって!!ギターのストロークのしすぎだって!」
梅田「へぇ〜。じゃあちょっと弾いてみて。」
弓削「は!?」
梅田「いいから、今弾いてみて。」
弓削「なんで!?さっき弾いたからいいでしょ!!」
梅田「ふ〜ん。怪しいなぁ〜。」
弓削「なんだよ、怪しいって!!…ってそもそも私、免許持ってないし。バイクの運転できないし!!」
梅田「はい、無免許運転ね。逮捕〜!!」
弓削「ちがうちがう、そうじゃなく…って何書いてるの!?」
梅田「(手錠をしながら調書か何かに書くフリ)ム・メ・ン・キョ・ウ・ン・テ・ン。8文字。」
弓削「(興奮して)ほんとだ!!!…そうじゃなくて。ってそもそも私35歳じゃないし。まだ33歳だし!!」
梅田「年齢詐称。再逮捕〜!!ネンレイノサショウ、8文字。」
弓削「ほんとだ〜!!!」
梅田「手錠。」
弓削「・・・」
梅田「はめて。」
弓削、何故かもう一個持っている手錠を取り出し、自分にはめる。
梅田「容疑者確定!!(8文字)」
弓削「(手錠を見ながら)8文字!」
梅田「罪状確定!(8)」
弓削「8文字!」
梅田「豚肉万引き(8)」
弓削「8文字!」
梅田「バイクの窃盗(8)」
弓削「8文字!」
梅田「証拠の隠滅(8)」
弓削「8文字!」
梅田「これを認めるか?(8)」
弓削「8文字。黙秘権(5)」
梅田「なに!?」
弓削「黙秘権行使!!(8)」
梅田「8文字!!」
弓削「これは冤罪だ!!(8)」
梅田「8文字!!」
弓削「弁護士を呼んで!!(8)」
梅田「8文字!!」



延々と続いていく中、尾崎豊の『OH MY LITTLE GIRL』の一節がこの掛け合いの途中から聴こえ始め、最後は大音量で二人の言葉もかき消すほどに響き渡る

♪いつまでも いつまでも 離れられないで
いるよ〜

それと共にステージも暗くなり最後には完全に暗転
二人は囚われたまま…本公演は終了するのであった

     
 
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